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音声活用ブログ
適用分野が広がる音声感情分析
2021.10.30
マーケット
24 適用分野が広がる音声感情分析(解析)
前回のブログでは統合可視化デスクトップアプリIntoneの紹介をさせていただきました。このアプリが出たこともあり一気に音声感情分析(解析)の適用分野が広がりました。今回のブログでは適用分野についてご紹介したいと思います。
当社が設立されてから約2年半が経過しました。当初は世間の音声感情解析の認知度はそれほど高くなく、音声感情解析とはどういうものかを聞いて下さるお客様を探しては、プレゼンの機会を頂けるようお願いする毎日でした。ご紹介させて頂く業種もほとんどがコールセンターで、オペレーターとそのお客様との会話音声をモニターしてお客様の感情を可視化する用途が主でした。
しかし最近では、用途が大きく広がっており、おかげさまでホームページからの問い合わせも増え、お客様から「こういう用途では使えないか?」など、利用用途のアイディアを頂けるようになりました。本ブログでは、音声感情解析の結果で得られる情報の性質を分類した海外での事例を示します。
感情データの用途分類
まず、音声感情解析の結果で得られる様々な情報のどのような性質を利用して、実際の用途に適応しているかを分類してみました。図1に示すように大きく3つに分類されます。
① 感情の状態や変化を利用した用途
② 発言者のパーソナリティ情報を利用した用途
③ 発言の真偽情報を利用した用途
現在、音声感情解析の適応として最も使われているコールセンターでは主として上記①と2②の情報を利用しています。以前のBlog22 で紹介した「経営者発言の信ぴょう性を音声感情分析(解析)でチェックする」は③の情報を利用しています。図1の中でコールセンター向けの用途はかなり前から顕在化していたのですが、それ以外はこの1~2年の間に用途開発されたものです。①と②を組み合わせ、ロボットに感情解析ソフトを組み込み1人暮らし高齢者の見守りやペットの代わりに癒しを提供するなど、確実に音声感情解析の適用分野は広がっています。当社では今後、上記①~③の情報を組み合わせた新しい用途の開発に取り組む予定です。
ここで示したい用途で、まだ日本では実現されていませんが、将来的に注目すべき用途2つをご紹介します。
昇進候補者人事面接
これは、当社が5月に行ったニュースリリース「【Nemesysco社】ロモノソフ モスクワ州立大学心理学部と共同研究」で述べられているものです。
あるロシアの大企業で上司の推薦やいままでの業績評価により昇進の候補者になっていた300人弱の管理職に対して、会社の人事チームとの会話、面談の際の音声、コンサルタントが作成した専用のアンケートへの口頭での回答を、当社の提携先であるNemesysco社の音声感情解析ソフトで解析し、被験者のパーソナリティ評価をしたところ候補者約28%が、昇進後の新しい職務では能力を発揮しえない可能性が高いことが検知されました。ロシアの企業はこの28%の候補者達を昇進させないことに決定したとのことです。
日本とロシアでは昇進に対する考え方が大きく異なるので、日本でこのような人事をすることはまず不可能でしょう。コンピューターソフトが出したパーソナリティ評価に対する信頼度がロシアと日本では大きく異なります。日本ではコンピューターソフトが出した評価はあくまで参考情報です。日本では、何故そのソフトが管理職には向かないと判断したのかと言う「why?」が重要となり同じソフトを利用してもその活用方法はロシアと日本では大きく異なります。当社では日本の人事慣行に合った使い方をお客様にアドバイスできるように心掛けています。
営業受注確度の推定
少し前のことですが、ある企業から当社の感情解析ソフトをスマートグラスに組み込めないかと言う話がありました。写真のようなメガネには小さなコンピューターチップが入っており、小さなマイクで対面している人の声を拾って、感情解析の結果をスマートグラスの仮想スクリーンに表示すると言うものです。幸いなことに当社の提供するコアソフトであるESAS CoreはビジネスPCでも動かすことができる動作が軽いソフトなので、スマートグラスのコンピューターチップでも動作させることが可能です。しかし当時はその企業での適切な用途が見つからず、結局アイディアだけで実現には至りませんでした。
そこで、これが出来たとして、どのような用途で使えるのかを社内でブレインストーミングしてみたところ、営業マンがお客様と面談する時に、このグラスをかけると、お客様のパーソナリティや、話の信憑性リスクを表示できるのでお客様からの受注確度の推定に使えないかとのアイディアがありました。確かにお客様の性格と本音がある程度わかれば、営業フォローの作戦が立てやすくなり、受注に結び付く確度が高くなるかもしれません。このアイディアは一見荒唐無稽に思えましたが、意外と発展するのではないかとも思えます。このブログを読んでくれている方で、良いアイディアを思いついた方がいらっしゃいましたらご一報いただけると嬉しく思います。
以上
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