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音声感情解析

【国内事例】「ありがとう」の区分 〜音声認識だけでは見えない“本音”を捉える〜

2025.04.04

国内活用事例

【国内事例】「ありがとう」の区分 〜音声認識だけでは見えない“本音”を捉える〜

コールセンターにおける音声認識技術は、もはや特別なものではありません。顧客との会話をリアルタイムでテキスト化し、FAQとの連携や通話内容の記録など、多くの現場で活用が進んでいます。

たとえば、応対品質の指標として知られる「ありがとう率」。通話の中に「ありがとう」という単語が含まれているかを評価基準とすることで、オペレーターの対応が“丁寧で好感を持たれている”と判断されてきました。

しかし、本当にすべての「ありがとう」が好意的な評価を意味しているのでしょうか?
ここに、音声感情解析の力が加わると、まったく異なる世界が見えてきます。


音声認識では“言葉”までしか見えない

音声認識で「ありがとう」とテキスト化されれば、それが喜びによるものか、不満の残るものかは区別できません。
日本人の会話には、本音と建前が混在しています。

とくに「ありがとう」という言葉は、表面的には感謝を表していても、文脈や感情によって真意が大きく異なるのです。


音声感情解析が可視化する“ありがとう”の内訳

当社の音声感情解析を活用したコールセンター事例では、「ありがとう」という単語の中に、実は3種類の異なる感情が含まれていたことが明らかになりました。

  • 「ありがとう(喜)」:感謝の気持ちを込めた、ポジティブな「ありがとう」
  • 「ありがとう(悲)」:納得できず不満を抱えながら、仕方なく話を終える「ありがとう」
  • 「ありがとう(怒)」:怒りを抑えつつ、これ以上話したくないという拒絶のサインとしての「ありがとう」

音声認識ではすべて同じ「ありがとう」としか記録されませんが、音声感情解析では、声のトーン・揺らぎ・スピード・抑揚などから、話者の心理状態を非言語的に捉えることができます。


可視化された“ありがとう”がもたらす気づき

この技術を導入した企業では、単なる「ありがとう率」だけでは見えなかった顧客満足度の落とし穴を発見することができました。

  • 表面的には感謝されているが、実際には問題が未解決のまま話を終えていたケース
  • 苦情をうまくかわして終了したが、声から怒りの余韻が残っていたケース

これらを見逃さず、対応フローやトークスクリプトを見直すことで、CS(顧客満足度)向上につながる成果が生まれています。


まとめ|言葉の“裏側”を捉える、次世代のコミュニケーション分析へ

音声認識だけでは見えなかった「声の裏側」には、顧客の本音が詰まっています。
音声感情解析を活用することで、単なるキーワードカウントではなく、顧客体験の“質”そのものを可視化する指標が手に入ります。

現在、当社ではこの技術の活用をご検討されている企業様に向けた無料相談・導入支援も実施中です。
実際の「ありがとう」を使ったデモや、貴社の応対評価指標の最適化支援にも対応しております。


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