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音声活用ブログ
市や町などの自治体を運営するのは企業経営とは異なる視点が必要です。
2023.09.15
Nemesysco社お知らせ
テーマ:
58 ビジネスで音声感情解析システムはどのように使われるのか(連載6) 《海外スマートシティでの音声感情解析》
市や町などの自治体を運営するのは企業経営とは異なる視点が必要です。後者は経営指標や顧客満足度といった比較的客観化し易い数値を使って経営することができるのに対して、前者の政策決定は漠然として数値化しにくい「住民感情」に配慮しなければならないからです。当社の提携先であるイスラエルのネメシスコ社によれば、南米のいくつかのスマートシティでは音声感情解析テクノロジーを用いて住民感情を把握して、それを政策アクションに結び付けようという例が出始めたとのことです。音声感情解析システムの一つの応用例として紹介したいと思います。
コロナはようやく回復の兆しを見せてきて、コロナ以前の日常生活を取り戻しつつありますが、しばらく前まで、心身の健康不安や収入減少、家にいることを強いられる状況などで多くの人が深い感情的ストレスを抱えていたと思います。それにより地域毎に異なりますが、次のような社会現象が見られました。
犯罪率の減少:
人々が外出や社交活動を制限されたため、これら強盗、窃盗、車上荒らし、暴力事件などの犯罪が減少した地域がありました。
家庭内暴力の増加:
一方で、一部の地域では家庭内暴力や虐待の報告が増加したという報告もあります。ロックダウンや外出制限により、家庭内でのストレスや不安が高まり、家庭内の紛争や暴力事件が増加することが懸念されました。
サイバー犯罪の増加:
オンライン空間での活動が増加したため、サイバー犯罪も増加しました。詐欺、フィッシング詐欺、オンライン詐欺など、インターネットを利用した犯罪が増えました。
経済的影響:
失業率の上昇や経済的な不安定感が高まった地域では、一部の犯罪(窃盗、詐欺、窃電、強盗など)が増加する傾向が見られました。経済的な困難に直面する人々が犯罪に走る可能性が高まりました。
自治体運営側から見ると、ロックダウンや外出制限で住民意識が従来よりもわかりにくくなり、住民感情が把握しにくくなっているという実感があります。ただでさえ数値化しにくい住民感情がコロナでますます漠然としてしまっています。これでは有効な自治体政策方針を立てることができません。
住民感情を調査するのは本当に難しく、下手に行うと個人情報保護違反に抵触したり、特定思想調査になってしまう恐れがありなかなか良い方法がありません。しかし、南米のあるスマートシティでは、ネメシスコ社の層別音声解析による音声感情解析テクノロジーLVA(Lawyered Voice Analysis)を用いて住民感情を把握する実験を行っているとの情報を入手しましたので紹介します。
犯罪対策:
南米のある都市で、500人に簡単なインタビューを行い、その回答をLVAテクノロジーで分析して、回答者に犯罪傾向があるかどうかを調べたました。インタビューのやり方の詳細はわかりませんが、感情を認識できる対話型音声応答装置(IVR Interactive Voice Response)を使ったとのことで、コンピュータが自動的に質問を回答者に投げかけ、その答えの音声を分析してその中に含まれる感情要素(ストレス、怒り、喜び、不安、等)を検出するものです。このシステムは25人が犯罪活動に関わったことがあり、30%が仕事上で不適切な行為をしたことがあったと割り出しました。このデータを使って犯罪対策の方法を検討したとのことです。
日本で同じやり方ができるかどうかは不明ですが、個人が特定されない方法であれば導入を検討することも可能かもしれません。
住民の感情的健全性のモニター:
ネメシスコ社のホームページでは次のように紹介されています。「LVA技術は、個人の感情状態や心理的な健康状態を評価するためにも利用できます。音声パターンを分析することで、その人の感情的苦痛や不安、その他のメンタルヘルス関連の問題の兆候を検出できます。感情的なウェルビーイングをモニタリングすることは、医療提供者や自治体当局にとって、必要な人々にサポートやリソースを提供する上で貴重なものとります。」
これも日本でそのまま適応されるかは検討を要しますが、自治体の政策や施策を検討するにあたり、「住民感情の健全性」という指標を導入することは大きな意味があるように思われます。
筆者は今まで感情は個人に付随したものと思い込んでいましたが、今回の記事を書くにあたって、今後は集団的な感情を把握することが社会の動きを理解し、対応を考える上で重要なのではないかと思うようになりました。
もしご興味をいただける方がいらっしゃったら是非当社にご連絡ください。
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