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60 日本のトップコールセンター(CENTRIC)での感情検出 (提携先であるネメシスコ社の子会社であるEmotion Logic社のブログから)|音声活用ブログ

2023.10.23

お知らせ

60 日本のトップコールセンター(CENTRIC)での感情検出 (提携先であるネメシスコ社の子会社であるEmotion Logic社のブログから)

当社の提携先であるイスラエルのネメシスコ社。その子会社でAIと感情解析との融合を促進するために最近設立された「エモーションロジック社」の製品担当役員G.Olevson 氏によるブログ(https://emotionlogic.ai/blog/) 2023年8月9日掲載、に当社と当社の親会社でコールセンター運営を行っている株式会社セントリックの記事が掲載されていますので、紹介させていただきます。このブログでは感情検出アプリの導入により、以前は不可能だった、お客様とオペレーターのやり取りの洞察を行えるようになり、顧客満足度の向上、オペレーター離職率の減少、コールハンドリング時間の減少が可能になったと述べられています。本稿ではその要約を示したいと思います。

 

 

Emotion Logic 社のブログから

 

CENTRICとESJのストーリー

 

2009年の設立以来、株式会社CENTRICは、コンサルティングからコンタクトセンター業務のアウトソーシング、Eコマース、従業員のリテンションに至るまで、幅広いソリューションを提供する、日本有数のコンタクトセンター・プロフェッショナル・サービス・プロバイダーです。KPI(重要業績評価指標)の改善を絶え間なく追求する中で、CENTRICは、コンタクトセンターのパフォーマンス統計の改善能力を妨げている大きな盲点に気づきました-その盲点とは、顧客が示す反応と実際の満足度とのギャップです。

CENTRICのチームは、この盲点は顧客を真に理解する方法を見つけることでしか解決できないことに気づきました。CENTRICは綿密なリサーチを開始し、利用可能な感情解析技術を比較しました。

その中には、Speech-To-Textによる表現コンテンツ分析、表現イントネーションまたは「声のジェスチャー」分析、CTI関連およびCRM関連の顧客感情プロファイリングを利用したソリューション、そしてもちろんネメシスコ社の Layered Voice Analysis(LVA™)を中心としたソリューションもありました。

集中的な調査の結果、ネメシスコ社のLVA™が、他の利用可能なテクノロジーと比較して、圧倒的に正確で有益であるという結論に達しました。

LVAを使用して効果的に対処することができる広範な課題を実現し、研究に成功した後、CENTRICは2019年に感情解析分野に特化した子会社であるエモーショナルシグネチャージャパン(ESJ株式会社)を立ち上げました。

ESJは、感情検出を活用してパフォーマンスを最適化し、新世代のビジネスプロセスを強化することに重点を置き、感情検出技術がもたらす新たな可能性を探求することを任務としていました。CENTRICの承認を得て、ESJは感情検出技術のプロバイダーとしてネメシスコ社を選び、以来、日本におけるLVAベースのソリューションの強力な推進者、開発者、販売者となっています。

 

本当に機能しているのか?技術の検証

 

本物の感情検出を検証するのは非常に難しいことです。検証は、大量の実際の音声データに基づいて行わなければならず、模擬されたシナリオを使用することはできません。
なぜなら、模擬されたシナリオの参加者は、現実の状況の参加者と同じ感情状態を経験しないからです
革新的で真に効果的なサービスの開発に意欲を燃やしたESJのチームは、CENTRIC社が熊本大学と共同で進めているの研究結果を用いました。研究者たちは、300万という膨大な数の顧客との通話記録を分析しました。これは3年間かけて綿密に分析された50万件以上の事例の16億件のデータサンプルに相当します。

この調査では、LVAが検出したオペレーター離職リスクと、オペレーターの実際のパフォーマンス低下、自己申告による不満、実際の離職との比較分析を行いました。1000人以上のオペレーターを分析した結果、LVAは80%の結果を正確に予測していました。この高い精度は、分析が行われる前に通話内容が研究者に知らされないブラインドテスト通話においても達成されました。

これらの包括的な研究により、ESJは行政機関、大学、民間機関からも信頼を得ています。研究期間中、AIを利用した競合技術では、俳優が発声した感情表現により訓練されたモデルは、演技された感情をそれなりに検出することはできるますが、実生活の場面(特に日本文化)では失敗することが判明しました。ESJは、この技術を効果的に検証し、学界、日本政府、民間機関から信頼を得て、大手通信会社に感情検出の知見を導入することができました。LVA™は言語に依存せず、イントネーションにもとらわれないため、言語や文化に関係する障壁がなく、すぐに現場に導入することができました。

「(日本では)日本人は怒ったり失望したりしたときでも、敬意を持って接するように育てられます。子供の頃には、私たちは生々しい感情を表現しますが、成長するに従い、抑制と礼儀の社会規範により日本人は “抑制の専門家 “へと変化するのです。
(ESJ担当者談)」

 

課題

 

コンタクトセンターのサービスレベルを常に向上させるという課題は、このグローバルな業界全体で共有されています。コンタクトセンターは、顧客満足度や顧客離れの兆候を評価する手段として、通話のレビューに多大な労力を費やしています。

同様に、コンタクトセンターは、優秀なオペレーターを辞めさせないようにするため、オペレーターの減少を測定し、防止しようと努力しています。ESJは、日本のコンタクトセンターにおいて、これらの課題はほぼ難攻不落であることを発見していました。礼儀正しさと個人的な感情を表に出さないことは、日本文化の主な特徴のひとつです。この文化的特性はコンタクトセンターにも明確に反映されており、顧客が不満を口にしたり、通話中に感情的な反応を明確に示すことはほとんどありません。同様に、オペレーターは、文化的な傾向だけでなく、トレーニングによって、非常に礼儀正しく、感情的に控えめであるため、マネージャーは、ストレス、怒り、悲しみ、その他の燃え尽きを誘発する感情を経験したオペレーターを特定することが困難です。

実際の顧客満足度やオペレーターの感情的適性や幸福度に関するこのような情報不足は、日本のコンタクトセンターにとって大きな問題でした。その主な理由は、報告された顧客満足度の統計と実際の顧客解約率の間に食い違いがあるためです。わかりやすく言えば、顧客満足度は問題ないように見えますが、顧客は失われていたのです。

 

結果

ESJは、日本でトップ3に入る通信会社から次の依頼を受けました。それは、最高ランクのエージェントが対応した1,000件の電話についてコールセンターのQAスペシャリストによって「満足」と判定された顧客に対し、LVAベースの分析を適用することでした。その結果、顧客とエージェントの発言と実際の感情との間にギャップがあることが明らかになりました。LVA分析により、通話内容の70%に、顧客が経験した高レベルのストレスや攻撃性が表れていることが明らかになり、また、通話中のどこでこれらの感情が最も顕著に表れているかも示されました。
不思議なことに、ESJは、多くの顧客が通話の終わりごろにストレスや攻撃性のピークを経験しているようであることを発見しました。この現象を調査したところ、エージェントが台本に沿ったセールストークを行い、最後に満足度アンケートを実施していることが判明しました。このプロセスそのものが、顧客の解約を誘発しながらもストレスや攻撃性の原因と完全に相関していました。この通信会社は、自分たちのプロセスが顧客に悪影響を及ぼしていることに気づくと、台本を30~60秒短くし、売り込みの言葉をなくしました。その結果、通話処理時間が5%以上短縮された一方で、真の顧客満足度が向上しました。
どの企業にとってもオペレーターの採用、トレーニング、維持には多大なコストががかかります。オペレーターの高い離職率と退会率は、業務面でも財務面でも大きな懸念事項です。LVAがどのように本音を明らかにするかを理解したこの通信会社は、自分たちのチームをよりよく理解するためにLVAを適用しました。
経営陣は初めて、礼儀正しく感情的になりにくい従業員を理解できるようになり通話中の従業員の満足度や感情的な幸福度を正確に把握することができるようになりました。オペレーターが高いストレスを感じている時間帯を把握し、そのストレスの原因を突き止めることができました。
ESJの分析後1年間で、解約率と離職率を7.2%減少させることができました。すなわち
トレーニングと採用の大幅なコスト削減ができたのです。

 

今後

 

この最初のプロジェクトに続き、ESJは複数のコンタクトセンターにLVAを導入することに成功しました。
現在、ESJは、大手コンタクトセンター、保険会社、人材紹介会社、システムエンジニアリング会社、コンサルタント会社など、幅広い顧客層にサービスを提供し、日本全国で数多くのプロジェクトをリードしています。蓄積された現場経験と増え続けるデータ、そして熊本大学との継続的な共同研究により、ESJは感情検出APIを用いたLVAベースの自社プラットフォームの開発に着手しました。そして2020年、ESJはネメシスコ社の技術をベースに日本のコンタクトセンター向けにチューニングした感情検出ソリューション「ESAS」を発表しました。

 

 

当社(ESJ)からのコメント

 

弊社の提携先であるネメシスコ社が最近設立したAI技術を感情解析に適応することを促進するための子会社Emotion Logic社の当社に関するブログを紹介させていただきました。現在LVA技術は同社でAIを取り込んだ技術へと進化させており、その一環として弊社(ESJ)の活動も参考にされているようです。弊社は今後ともネメシスコ社とその子会社とは強い協力関係を維持して、日本のお客様に最新最良の感情解析ソリューションをご提供させて頂く所存です。


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